2026-10-05

愛犬のケアと獣医療、その境界について

最近、犬の「整体」について、日本獣医師会から文書が出ました。

2026年10月1日、日本獣医師会は、飼育動物に対する「整体」等の施術と、獣医師法上の「診療」との関係について、農林水産省への疑義照会と、その回答を公表しました。

この文書で示されているのは、「整体」という名前ではなく、実際に何を目的として、何を行っているのかが重要だということです。

今回は「整体」についての発表ですが、私はこれを「整体でなければ大丈夫」「マッサージなら問題ない」という話として受け止めてはいません。

大切なのは、呼び方ではなく、自分たちが何を目的に、何を行っているのか。

これは、Splootにとっても決して他人事ではありません。

ドッグフィットネスやマッサージを行う私自身も、日頃から獣医療との境界を意識し、その範囲を守って活動しています。
今回の発表は、これまで大切にしてきたことを、改めて確認する機会になりました。

🐕 「気づくこと」と「診断すること」は違う

犬の身体を学んでいると、飼い主さんが気づきにくい小さな変化に気づくことがあります。

歩き方がいつもと違う。
左右で身体の使い方が違う。
立ち上がり方が変わった。

でも、「何かおかしい」と気づくことと、「何の病気なのか」を診断することは別です。

愛犬に触れ、身体の使い方や反応を観察することは、日常のケアを行ううえで大切なこと。

一方で、そこから病名や不調の原因を判断することは、私たちセラピストの役割ではありません。

Splootができるのは、まず気づくこと。

そして、その気づきを飼い主さんに伝えることです。

「ここが気になるので、一度獣医師に診てもらってください」

これまでにも、私の立場では対応できないと感じたときには、獣医師への受診をおすすめしてきました。

近くに理学療法を行っている獣医師がいた頃には、その先生のところへ行くことを、何人もの飼い主さんにおすすめしました。

必要なときに獣医療へつなぐことも、Splootの大切な役割だと思っています。

🚌 Splootは「街のフィットネスジム」

私はSplootを、人でいえば「街のフィットネスジム」のような場所だと考えています。

ドッグフィットネスでは、愛犬の身体の使い方を見ながら、無理なく身体を動かす時間をつくります。

病気を診断したり、治療したりする場所ではありません。

外科手術後など、医療としての理学療法やリハビリテーションが必要な場合には、獣医師など、その分野の専門家につなぎます。

マッサージも、病気を治すことを目的とするのではなく、愛犬の身体に触れながら、無理のないケアとリラックスの時間をつくることを大切にしています。

🤝 獣医師と、それ以外の愛犬に関わる仕事

Splootには、獣医師のお客様もいらっしゃいます。

開業当時から応援してくださっている獣医師もいます。

とてもありがたく、感謝しています。

獣医師と、それ以外の愛犬に関わる仕事は、それぞれの立場で愛犬を支えるものだと思っています。

それぞれの役割を大切にし、獣医療の領域には踏み込まない。必要なときには、きちんと獣医師につなぐ。

それも、愛犬に関わる仕事の大切な役割だと思っています。

🐕 IAALPからも、今回の発表を受けて

私がドッグフィットネスやドッグマッサージを学んできた、一般社団法人アニマルライフパートナーズ協会からも、今回の日本獣医師会の発表を受けて、「ドッグマッサージと獣医療の境界について」というお知らせが出されました。

協会では、犬に触れ、様子を観察することはケアを行ううえで欠かせない一方で、気づいた変化から病名や不調の原因を独自に判断することは、セラピストの役割ではないとしています。

また、施術を控えるべきときには控え、獣医師への相談につなげることも、大切な判断であるとしています。

私自身、協会でこうした考えを学び、Splootで活動するうえでも、その学びを大切に守っています。

だからこそ、愛犬に触れ、様子を観察することを大切にしながらも、気づいた変化から病名や不調の原因を独自に判断することはしません。

施術を控えるべきときには控え、必要なときには獣医師への相談につなげる。

そして、協会が大切にしている「獣医療と犬のご家族の架け橋」となる役割についても、協会員として、その考えを守りながら活動しています。

必要な獣医療につなぎながら、日常のケアを通じて愛犬とご家族を支えていく。

それが、私が協会で学んだことを、Splootの活動の中で実践しているということだと考えています。

🌱 今回、改めて考えたこと

今回の発表と、所属する協会のお知らせを読んで、改めて感じました。

愛犬をよく見ることと、診断することは違う。

できることを知ることと、できないことを知ることも、同じくらい大切です。

「何ができるか」だけではなく、
「何をしないのか」「いつ専門家につなぐのか」まで含めて、愛犬のケアなのだと思います。

Splootはこれからも、愛犬の身体を学び、できることを丁寧に行いながら、必要なときには獣医療へつなぐ。

そんな存在でありたいと思っています。

📚 参考資料

  • 公益社団法人日本獣医師会「飼育動物に対する『整体』等について(令和8年10月)」
  • 農林水産省「疑義照会への回答について」
  • 一般社団法人アニマルライフパートナーズ協会「ドッグマッサージと獣医療の境界について」
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